ミツバチ事件から半年ほど前のお話。

遠い宇宙の彼方、M138星雲のフルサトソウ星から地球に隕石が落ちた。愛知県一宮市で回収された隕石は町内会長より極秘に依頼された定水寺博士によって解析が進められていた。その研究所に近所に住む少年は怒って入ってきた。少年は近所に住む柚木オロシ君。

「博士！だましたね。この子ただのトカゲじゃん」手にした籠の中には一匹のトカゲ。

「なにを言うか、これは世界最大のトカゲと云われるコモド・ドラゴンのミニチュア版でコドモ・ドラゴンじゃ！」

「コモドじゃなくてコドモ？？なんですか、その紛らわしい名前は！」

「世界最大なんだぞ、すごいじゃないか！」

「ミニチュアだから世界最大じゃないでしょ！」

「それだけじゃないぞ、コドモ・ドラゴンは人間の言葉を理解し、しゃべるんだ。」

「嘘？」

「本当だが、少々問題がある。実はコドモ・ドラゴンは性格が無口だ。」

「なんじゃそれ！」

「っていうか、よく考えたら鳴き声も聞いたことがない。」

「駄目じゃん！博士はそれでも博士なの？」

「いや実は博士じゃないんだ。」

「え〜！！」

「実は博士と書いてヒロシと読むんだ。定水寺ヒロシって名前なの。」

「紛らわしい！」

「おかげで近所の人たちに博士と勘違いされているんだ。」

「じゃあいったいこの研究所は何を研究しているんですか？」

「博士と勘違いされない方法を研究中だ。」

「今すぐ研究所をやめなさい！」

「そうなんだ今日も町内会長から隕石の解析依頼を受けちゃったんだ。」

「できるんですか、そんなこと？」

「とりあえず電子レンジに入れてみた。」

「ちょっと博士！」

「いやヒロシですが、、」

「電子レンジから煙が！」

「柚木君危ない。伏せろ」

「逃げてる場合ですか、止めなきゃ。」

「危ないからやめろ！」

柚木少年が電子レンジの扉を開けた瞬間、電子レンジが隕石とともに爆発を起こした！


いったいどれほどの間、眠っていたのだろう？僕は死んじゃったのかな？

「目が覚めたかね。柚木君。」

「博士。僕は生きているんですね。」

「実はかなり危なかった。君は機械の体を手に入れたんだよ。」

「え？僕は人造人間なんですか？」

「人造人間ってほどではなが、爆発で飛び散った電子レンジの部品のカスが体に残っているんだ。」

「なんじゃそれ！」

「いや、でも一部骨が折れたところは電子レンジの部品で接いでおいた。」

「壊れた電子レンジで僕の体を治療したんですか！」

「ちょうどのサイズだったんだ。そんなに怒るな、逆に君の体の部品で電子レンジを修理しなかっただけありがたいと思うべきだ。」

「アホか！」

「まあ怒るな、感謝は大事だという話だ。」

「元はといえば誰が電子レンジ爆発させたと思ってるんですか！」

「実は君の体が変わったのは電子レンジの部品だけではない。隕石の爆発で浴びた放射能で君の体の細胞に変化が起き高度成長細胞となったらしい。」 「どういうことですか？」 「お饅頭を食べて血糖値が１３８つまりイチミヤを超えると、一宮市限定の正義の味方に成長し変身するらしいのだ。」 「なんで？」 「宇宙の神秘だ。」 「一宮市限定の宇宙の神秘？狭いのか広いのか意味が分かりません。」 「細かなことは気にするな。今日からは正義の味方となって戦ってほしい。」

こうして悪と戦う戦意（せんい）の街一宮のヒーロー・高度成長戦士ガチャマンが誕生した。