ガチャマン シーズン2 

第1話 一年後の一宮

ガチャマンとチュパニンジンとの決闘から1年。一宮は大変なことになっていた。

銘菓ガチャ饅とガチャ饅ケーキは一宮の名物となり、駅前のお店は連日大行列が出来た。

紛らわしい名前ですが「ガチャ饅ケーキ景気」が一宮に起きて、それ目当てに観光客も全国から訪れるようになり、さらに全国の百貨店では大一宮市物産展が行われ、ちょっとした一宮ブームとなっていた。

で、ケーキ屋の「正義おじさん」はよっぽど儲かっただろうと思いきや、あまりの忙しさに体調を崩し、それがきっかけでお店は外資系お饅頭商社「利井饅」に買収されていた。

コドモドラゴンはどうしたかというと、こちらもとても有名になり、一宮に市営コドモドラゴン記念動物園が出来た。

そしてコドモドラゴンの縫いぐるみやフィギアの付いた携帯ストラップは爆発的大人気で、ネット通販「羽根が生えたトカゲのフィギア部門」売り上げNo.1を記録した。
ガチャマン関連グッズはもはや一宮の産業となっていた。

そして、インチキ博士、、失礼、定水寺博士はというと、こちらはその後も貧乏のままで、、家賃が払えず研究所だった借家を追い出された。

そしてどこ行ったと思ったら、なぜか新しい立派な研究所にいるぞ? 

「博士ここが新しい研究所ですか?」

「そうだ柚木君。私はここの契約主任研究員長になった。」

「つまり契約社員なんですね。」

「そうとも言うかな」

「しかしすごい建物ですね。無駄に立派過ぎませんか?」

「なんだか知らんが一宮市は「正義の味方特区」に指定された」

「はぁ?」

「そして巨額な予算で独立行政法人「正義の味方研究所」ができたのだ」

「なんか大げさですね。」

「私はその主任として夢の時給650円で働くことになった。貧乏生活ともおさらばだ」

「社員って時給制なんですか!」

「そのうち40%は派遣会社にハネられる。」

「派遣社員だったの!」

「違う!非正規労働者だ!」

「同じです!それで、僕は何のために呼ばれたんですか?」

「喜べ。この失業時代に君もアルバイトとして正式採用された」

「僕まだ中学生ですが、、」

「だから時給は500円で、図書券で支給だ」

「頭が痛くなってきました。」

「しかもガチャマンに変身して出動したときだけ時給計算される」

「そんなアホな!」

「怒るな。私なんか朝1時間と夕方1時間、計2時間の掃除の時しか時給がつかん」

「完全に掃除のアルバイトじゃないですか!」

「でも朝から夜の待機の時間もここに居ることができる。居場所があるだけでも幸せだ。」

「なんか泣けてきました。ところで博士以外は誰もいないんですか?」

「基本的に私一人だ。週に11時間ほど所長がやってくる」

「1週間で1時間?」

「そうだそれで月給は100万円らしい」

「え〜!」

「しかも来年退職し退職金は1000万円だそうだ。名前はワタリさんだ!」

「何ですかそれ!つまり天下り先を作る理由に利用されたんですね。我々は」

「いいじゃないか、雨風しのげる場所ができたし」

「良くない!」

なんだか大変なことになっているようです。日本のヒーロー史上初の「天下りに利用された正義の味方」となってしまったようです。いったいこの先どうなるんでしょう?

シーズン2 第2話 につづく。

最終更新日:2011/02/06