ガチャマン シーズン2

第5話 ISN認定?

平和な研究所に一本の電話が鳴った。

「ハイ研究所。え〜嘘、マジですか?ハイ、ハイ、」

なにやら込み入った話のようだ。

「まずいぞ。銘菓ガチャ饅がトクホに認定され値上げした」

「トクホってあの特定健康補助食品のことですか?

「いやそれじゃなくて、認定されたのは特殊健康正義に変身〜食品だ」

「なんじゃそれ?それじゃあ「トクヘ」でしょ」

「トクヘでもいいが、値上げは痛い。変身するのやめるか?」

「そんなアホな!」

どうやら「特殊健康正義に変身〜食品」の登録料は巨額らしい。

するともう一本電話が、またまた込み入った話のようだ。

「たいへんじゃ。原付2種宇宙空母エンギ屋プライズが使えない」

「どうしたんですか?」

「正義の武器には今後ISN認定が必要だ」

「ISOじゃなくてISN?」

「インチキ正義の味方じゃ無いよ認定。略してISN認定じゃ」

「なんじゃそれ!」

「判らんか?インチキのI、正義のS、ないよのNでISNじゃ」

「略し方の説明はいいです。そういう意味じゃなくて!」

「登録には巨額の登録料が必要じゃ。貧乏な私では不可能じゃ」

「じゃあ、名刀地域振興剣は?」

「それにも登録が必要じゃ。これからは正義はお金が掛かるようだ。登録しないと正義の武器は全て没収される。」

「どうしましょう。」

悩む2人。そんな時、研究所の窓ガラスが割れた。石が投げ込まれたようだ。

すると幾つも石が飛んできて窓ガラスがたくさん割れ始めた。

「いかん。暴動が起きている。あの噂は本当だったんじゃ。」

外には「正義撲滅!」や「毒立行政法人正義の味方研究所を潰せ!」のプラカードをもった人たちがデモ行進している。

「いったい何があったんですか?」

「一宮市の農道や田んぼのあぜ道が有料化したらしい。それが正義特定財源となった。」

「じゃあ、耕運機や田植機が通るのにお金取られるんですか?」

「もはや一宮市の農機具は全てETC付だ。」

「野菜が作れなくなっちゃうじゃないですか?なんでそんなにお金が必要なんですか?」

「この施設の維持費と、所長の給料かな?あとマッサージ器や空気清浄機代。」

「マッサージ器や空気清浄機は正義に関係ないじゃないですか?」

「それが最近毎日のように空気清浄機が納品される、もう置き場も無い」

「ずっとこの先も使わない空気清浄機を購入するんですか?この法人は」

「清浄機よ永遠に、なんってな。」

「それ星条旗でしょ!アホなこと言ってる場合ですか!」

「どうやら一宮市民全員を敵に回してしまったようだ。ここを出た方が良いな。」

「そう思います。エンギ屋プライズや地域振興剣も置いていかなければならないですね。」

「ISN認定を受けるお金は無い、置いて逃げよう。柚木君、2人で行動は危険だ。ここで分かれよう。あと名前も変えろ。今日からはイチバン・ハジメと名乗れ。身元がバレると家族も危ないぞ。いいか無事逃げろよ。」

研究所の秘密の浦口から逃げる2人。なにも悪いことしてないのになんでこうなってしまったのだろう?はたして2人の運命は、これからの一宮市の平和は、いったいどうなってしまうのだろうか?

シーズン2  第6話につづく。

最終更新日:2011/02/06